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八尾市ものづくりnet.の中の環境コンテンツ企業一覧の中の高由金属株式会社

環境分野でがんばるものづくり企業

高由金属株式会社/けを考えずものづくりを楽しむことが社会貢献にもつながり、結果として自社の技術力アップにもつながるのです。/代表取締役 高島章 http://www.takayosi.co.jp/

INTRODUCTION
 「髙由金属株式会社」(八尾市福栄町)は中小企業の強みを活かした多品種少量生産を得意としている精密部品加工メーカーである。産学連携にも積極的に取り組み、社会貢献につながるような新しい加工技術にチャレンジする一方、環境マネジメントシステムの一つであるKESを取得し、社員一丸となって環境負荷の低減に取り組んでいる。
 今回は、同社におけるこれらの取り組み内容について、髙島社長から詳しいお話をうかがった。
高い技術力を活かして~地球環境に寄与する取り組み~
 同社は産業用機械や試験計測機器等に使用されている、さまざまな精密部品を製造している。特に、太陽光パネル用の精密部品として、光を反射しないようにして、発電効率を上げるためのものや、風力発電の回転羽根部分に使われる頑丈なガラス繊維製造用装置の精密部品も製造している。このように、新エネルギーの分野にも、同社の精密部品が数多く関わっている。

髙由金属㈱社製造部品が使用されている機械
(ガラス繊維製造用装置等)

産学連携による取り組み〜あたたかくやさしい技術集団をめざして〜
 同社は産学連携に積極的であり、大学との共同研究によって新しい加工技術の開発に取り組んでいる。例えば、アルツハイマーや脳梗塞などの疾患を解明するために、鳥の頭部に組み込み、脳の考える様子や神経がつながっていく様子を捉える装置に使用される微細部品の開発を行っている。大学側としては独自に開発することは難しく、メーカーに依頼すれば高額となり発注できないという事情を考慮し、無償で微細部品の開発を実施している。髙島社長は「お金を貰って製造する場合には納期があり、ものづくりを楽しむことが難しくなる。儲けを考えずものづくりを楽しむことが、豊かなアイデアを生み出し、脳に関わる疾患の解明という社会貢献にもつながる。それが、結果として自社の技術力アップにもつながる。」と言い、同社の経営理念である「あたたかくやさしい技術集団をめざす」という想いを強く感じた。

産学連携で開発した部品

環境への取り組みが経営改善につながる〜KES環境マネジメントシステムの取得〜
 同社では環境マネジメントシステムの一つであるKESを取得し、社内グループ毎に目標を掲げ環境負荷の低減に取り組んでいる。「KESは他のマネジメントシステムと比べ、書類の作成量が少なく、管理面等が容易ですが、環境マネジメントに必要となることが十分に凝縮されています。」(髙島社長)と、KESの選択理由を話す。この他、髙島社長は「環境負荷の低減に取り組むというKESのスローガンは、社員の共感を得やすいだけでなく、社内における業務の効率化や経費の削減にもつながり、これは経営者として理想の姿です。このようなすばらしいものであるから、他社にも広げていきたいですね。」と述べる。自社の取り組みにとどまらない強い想いは、八尾でスタートした新たなKES認証機関「O-KES(大阪KES環境機構)」による認証を多くの企業に広げようとする活動を率先する'世話人'の役割にも表れる。

KES認定証/ISO9001

環境を意識した社内での取り組み~社員全員で環境負荷低減をめざして~
 「KESの推進により、社員の環境に対する意識が変わった。目標も一度実行すると習慣になります。」と髙島社長が言うように、環境にやさしい様々な活動を社員一丸となって継続している。
 例えば、廃棄物の減量という目標を達成するために、社員自らが出した不適合品事例を朝礼の場で紹介し、情報の共有を図る取り組みを実施した。すると、これまで目に見えなかった無駄が「見える化」され、共有されることにより、不適合品を減らし、廃棄物を減量することにつながった。また、紙の使用量削減のため、FAX受信データをパソコンで受け、必要な情報のみを印刷するように改善した取り組みなど、事務経費の削減につながることをどんどん実践している。また、ガソリンの削減のために始めた取引先へのルートやスケジュールを見直し、配送回数を減らす取り組みは、製品の製造工程そのものを見直すことにもつながり、とにかくあらゆる'ムダ'を見つけてなくすという体質改善につながっている。

KESにおけるグループ毎の目標が記載された掲示板

EPILOGUE

 「儲けを考えずものづくりを楽しむことが社会貢献にもつながり、結果として自社の技術力アップにもつながる。」という髙島社長の言葉が印象的だ。これは「利益を追求する」という会社組織の目的とは相反するものであるとも考えられるが、「楽しむことが、結果として技術力アップにつながり、技術力アップが会社を成長させる」と考える同社の経験と信念があるからこそ、「地球環境に対してもやさしい取り組みを考えることで、効率的なものづくりを生み出し、いい製品づくりにつながる」という、同社の前向きな発想につながるのではないかと考える。 このような柔軟な発想を持ち、活動し続ける同社は、'環境と社会にやさしい真の技術集団である'と言えるのではないだろうか。

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